オリジナルストーリー  都兎のシンオウ旅日記


■ 旅 ■ 1


あるとき、都兎という奴が、シンオウ地方に上陸した。
都兎の趣味はポケモン図鑑を完成させることだ。
パートナーとしていつも連れ歩いているイーブイは、今回の旅にもついてきていた。

   *   *   *

僕はイーブイ。いつも主人の都兎に付いて行ってるんだ。
今回はね、シンオウ地方って所にやってきたんだ。
そんなことはさておき、今日は天気が良いから気持ち良いや。

「よし、シンオウ地方はポッチャマで制覇しよう。」

都兎がそうつぶやいたとき、黄色い髪の毛の変な奴がぶつかってきた。
都兎はどうやら、その黄色に『ヒロシ』と銘銘したようだ。
僕は『マロマン・テキーニョ・ゴルバルト』って名前のほうがいいと思ったんだけどなぁ。

「おい、どこ見て歩いてんだ!!」
と、ヒロシはぬけぬけと言う。こちらは立ち止まって空を眺めていたのに。

「おまえ、空を見てぼーっと、立ち止まってんじゃねぇよ!!」
ヒロシは、言っていることが矛盾している事に気づいていないようだ。

都兎はとりあえず、「すみません」とだけあやまり、マサゴタウンからコトブキシティへと向かった。
僕も後ろを付いていく。うわっ、この道、けっこう砂埃が立つよ。目がかゆい・・・(泣)。

ナナカマド博士から貰ったポッチャマはなかなか強力だ。
ちっ。あいつより僕のほうがかわいいって。
道中仲間になったコリンクは、攻撃力も高く、ムックル対策になりそうだ。
まぁ、せいぜいがんばれ。
しかし一つだけ気がかりなことがあった。
「うわさに聞いたパチリスはどこで出てくるんだろう・・・。」
と、都兎がつぶやいたのだ。
うっ・・・。パチリスはかわいいからなぁ。イーブイ、ちょっとヤバいかも。

コトブキシティに到着すると、変なピエロがいた。
「今、キャンペーン中でね、ひきかえけんを3枚集めるとこのぽけってがもらえるんだ。」
今、『ぽけって』って、ピエロ言ったな・・・。ピエロ、舌噛んだな。
そんなことはさておき、トレーナーズスクールを無視して、都兎はポケッチをゲットしてクロガネシティに向かった。

なんか、僕の出番無いー。



■ 旅 ■ 2


クロガネシティのジムリーダーを、クロガネーゲートで育てまくったポッチャマであっさり倒した都兎。
「あわ」の威力は強力だ。
ヒョウタさん、3ターンで負けて、なんだかかわいそう。

僕はイーブイ。今、主人の都兎と一緒にシンオウ地方を旅していまーす。

クロガネゲートでコトブキシティに戻るとき、主人はずっと「めんどくせー」とつぶやいていた。
しかし・・・。気に食わないぜ・・・・。

イーブイ:おい、何得意げな顔してるんだよ!!新入りだろテメー。コノヤロー。
ポッタイシ:いや、そんなこと言われましても、困ります。僕の実力です。
イーブイ:ケッ。草タイプには弱いくせに。
ポッタイシ:イーブイさんも、かくとうタイプには弱いでしょう?
イーブイ:・・・。そんなこと言ってられるのも今のうちだぞ!!

ヒョウタ戦で活躍したポッチャマはポッタイシに進化したのであった。
このとき、ポッタイシはさらに進化してかくとうタイプに弱くなるなど思ってもいなかった。

あ、コトブキシティに付いたー。

あれ?なんか、道の真ん中に変なおかっぱがいるぞ!!?

銀河団「われわれについてきてもらおう!!」
ナナカマド博士「!!?こいつら変なことを言っておる。ちとこらしめてやってくれ!!」
都兎「ぇ・・・」
ナナカマド博士(こいつ、人が助けを求めているってのに、めんどくさそうな顔しおって・・・。)

「いけっ、ポッタイシ!!」
ううう・・・。なんでブイを使ってくれないの?ブイ強いよ?
くそう、ポッタイシの奴、『ざまあみろ』って、顔してこっち見てるよ。腹立つなぁ。

進路を妨げていた人たちも倒し、都兎はハクタイの森へと向かった。

ハクタイの森・・・。なんだか不思議な力を感じる。とくに、あのコケの生えた石が気になる。
森で主人の都兎は、ミミロルをゲット。
「ミミロル、うさぎだよ!!かわいいよ、ね、イーブイ。」

いや、ミミロルと、僕、イーブイ、キャラかぶるじゃん。
茶色ベースに白のフサフサ。
まぁ、いいか。ミミロルとは共生していけそうだし。

イーブイ:よろしく〜。
ミミロル:・・・。名前なんていうの?
イーブイ:イーブイだよ。
ミミロル:そのままだね。
イーブイ:・・・。

森を抜けた。ここは、なんていうところだろう?
看板、看板・・・・。うっ、看板の位置が高くて文字が見えない・・・。
「ここがハクタイシティだよ。」
「ブイッ♪」
ここはハクタイという町らしい。向こうに少し大きな広場があって、何かのポケモン像が見える。

あー、今日はずいぶん歩いたから、疲れたなぁ。
明日は主人の肩の上に乗ろう。



■ 旅 ■ 3


今日はさ、ジム戦するんだ。
正直、主人が
「ジム戦なんてどーでもいいし・・・」
「図鑑集めが本職だし・・・」なんてぼやいているから、やる気は出ない。
でもね、ああいっても、ご主人様、バッチ集めるの好きなんだよ。コレクターの血が流れているからね。

僕はイーブイ。主人の名前は都兎。
最近、仲間のポッタイシが僕に対して生意気だ。腹立つわ。

あ、ジムが見えてきた。今日は雨。じとじとといやな感じがしている。
ジムの中の林を抜けたところにジムリーダーのナタネはいた。
あいつ弱そうだな。

「ご主人様〜。僕を使ってください〜。」と、伝えるべく、とりあえず「ブイ。」と鳴いてみたが、意味は通じなかったようだ。
「イーブイちゃんはかわいいね〜。よし、今日はポッタイシにがんばってもらおうかな〜。」
ちっ。面白くねぇな。

そしてジム戦がはじまった。

「うん、よーし、いけっポッタイシ!!」
「相性の悪いポッタイシで来るとは何か作戦がありそうね・・・」

ナタネさん、僕の主人はバカですよ。何も考えてませんよ。

「ポッタイシ、つつくだ!!」
「無駄よ!!そんな雑魚ワザ!!私のロズレイドには効かないわ!!」

ここでポッタイシが、草結びによりくたばった!!やったよ!!殺ったよ!!僕の出番か?

「行け!!ムクバード!!」

えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
ちょっと待ってよォォォォォォォォォォ!!!
今までムクバードなんて出てこなかったじゃん!!初耳だし!!
しかもあいつ強いし!!

「まいったよ・・・」

ジムリーダーに勝っちゃったし!!

「ジムバッチゲットだぜ!!キャッホーーーーー」

叫ぶ主人。

この後、ポケモンセンターによったら、不思議な人がやってきた。
彼女の名前は「シロナ」。不思議だ。本当に不思議だ。
なんか怪しいにおいがする。
どうやら彼女はシンオウ地方の神話を調べているようだ。
主人、興味を示す。

「へぇー。シロナさんはシンオウの神話を調べているですか〜。」
「えぇ、今日はここの町のあのポケモン像を見に来たんですよ。」
「何なんですか?あのポケモンは?」
「うーん、言い伝えによると、このシンオウを作った神のポケモンで、時間と空間をつかさどる2体がいるとか・・・」
伝説のポケモン・・・・。他には何か聞いたことは無いんですか!!?」
「あっと・・・おしゃべりがすぎたわ。アナタとはまたどこか出会うかもしれないわね。」
「え・・・。もっと話が聞きたいのに。」
「これをあげるわ。何かの役に立つと思うし。じゃーね。」

ひでんマシンだ。いあいぎりだ。

「いあいぎりのひでんマシンはカントーから持ってきてるからいらないんだけどなぁ・・・。」
ぼやく主人。せっかく貰ったんだからお礼言えよ。

この後、サイクリングロードに行こうとしたら、変なうわさを耳にした。

「最近、この辺で町のみんなのぽけもんがいなくなっちゃうんだ。」
「うわーん、ぼくのケーシィもいなくなっちゃったよ〜。」

この事件に主人が興味を示したものだから、さぁ、大変。

この後、どんどんと大きな事件にかかわるようになるとは思いもよらなかった。



■ 旅 ■ 4


銀河団。ハクタイシティで悪事を働いているらしい団体の名前だ。
都兎はここ数日、何かについて調べている。

僕の名前はイーブイ。主人は都兎。

今日ぐらい、主人は謎の『とげとげニードル・ビル』に乗り込むころなのでは?
主人の近くに一番いる僕だから分かることだ。えっへん。

「よし!ブイ!今日はあの不思議なビルに乗り込むよ!」
ほらね。僕の予想が当たったろ。

不思議なビル最上階・・・。あれ?『とげとげニードル・ビル』に行くんじゃなかったの?
ここ、ただの展望ビルの最上階だし!

「うわーいい眺めだねー。あのサイクリングロードを抜けた先にクロガネシティがあるんだって。」

「のけのけぇ!」
「俺たち地元のミミロル愛好会のものだぜぇ!」
「ははっ。こいつが自転車屋の親父のミミロルか。けっこういい毛並みしてるじゃねぇか!」
うるさい連中だ。

「まて!それはわしのミミロルだ!一体どうする気だ!?」

「そんなの決まってるじゃないか、兄貴。」
「そうさ。ミミロルちゃんはカウワィィからなぁ。家で極上の餌やってかわいがるんじゃ。」
「ボス、オイラのケーシイコレクションも手伝う約束ですぜ。」

「うう・・・わしの力ではどうにもならん!!ちょっと、そこの君、助けてくれ・・・。」

「ぇ・・・。」

出たよ。都兎のめんどくさそうな顔。
ところが何か思いついた様で、主人の表情はにんまりといやな笑顔になった。

「自転車のおじさん!このポケモンたちを取り戻したら、お店に売っている中で一番高い自転車譲ってね!」
ご主人様ー!!!それは、無理なのでは!?

「仕方ない・・・。くっ・・・あの自転車には・・・・・・まぁちょうどよい
オイ!なんか理由アリっぽいぞ!!

次の瞬間、ミミロル愛好会のボスと都兎のバトルははじまっていた。
しかしバトルがはじまってすぐ砂埃が立った。あたり一面何も見えない。まさか・・・な・・・。
30秒ほどだっただろうか。砂埃がやんだ。
そこにはヤミラミが倒れていて、主人はポケモンを戻した後だった。
「あのポケモン」を使ったのだろうか。

自転車屋から
『お店に売っている中で一番高いが、なにか理由のありそうな自転車』
を譲ってもらった主人は、サイクリングロードを、向かってくるトレーナーを無視して突っ切った。
悪いのは主人だが、不思議と僕まで罪悪感でいっぱいだ。
いや、『まで』はおかしいな。主人には罪悪感なんてこれっぽっちもないだろうから・・・。

ヨスガシティに着いた。看板を見なくても分かる。
なぜならここには『ふれあい広場』があるからだ!!
行って見たいな♪
ご主人様にそれを伝えるべく、僕は「ブイ」とないてみた。

「ん?あぁ、ブイちゃんも、コンテスト出ようね!」
ちがーーーう!!

・・・うっ・・・ひっ・・・ぐすん・・・。な、泣いてなんか無いもんね!!

次の日、主人は僕を『ふれあい広場』に連れて行ってくれた。

お花畑が広がっていて、ソノオタウンを思い出す。いい所だったよな、ソノオ・・・。
ジョウト・イーブイファンクラブの幹部の、蒼也(ソウヤ)さんにも会ったし。ちなみに都兎は会長だ。
あれ?ちょっと待て?
本部には今、誰がいるんだ?主人は蒼也さんに仕事を任せて旅立ったはずじゃ・・・。

謎が一つ残るが、僕は今日一日、この広場を堪能するつもりだ。



■ 旅 ■ 5 へ続く・・・。